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お知らせ

2024年1月『映画秘宝』再復刊に向けて

文責◉田野辺尚人(『映画秘宝』2代目編集長、オフィス秘宝代表社員)

 新年早々、地震や航空機事故など不穏な出来事が続きます。そんな2024年の1月、『映画秘宝』は再度の復刊をいたします。

 1度目は発行元の洋泉社の解散で、2度目は『映画秘宝』続刊のために立ち上げた合同会社オフィス秘宝と発売元の双葉社との出版契約期間の終了により、2回の休刊をしております。特に2度目の休刊については、当時の編集人がSNSで騒動を起こし、雑誌としての『映画秘宝』が20年以上かけて積み上げてきた読者の皆様、寄稿者をはじめとする関係者の皆様からの信頼を大きく裏切ることになりました。この件につきましては、2年を越した現在に至るまで反省し続けております。

 双葉社との契約の終了後、オフィス秘宝は『映画秘宝』創刊者の町山智浩氏の提案もあり、Webで「映画秘宝公式note」を立ち上げ、そこで過去の傑作記事や町山氏の新作映画音声解説を発売し、また旧知の縁でもある宇川直宏氏のFinal Media DOMMUNEで月1回の配信で映画番組MOVIE CYPHERの構成のお手伝いをさせていただいております。町山氏、宇川氏には大きな恩があり、改めて御礼申し上げる次第です。

 生き馬の目を抜くWebの世界では不慣れなことも多いのですが、何とか仕事として機能しております。そこでやり取りのある映画関係者たちから「また雑誌を復活させてほしい」という要望がよく出ることや、2022年に双葉社で最後に刊行した3冊の売れ行きが前2021年の成績を大きく超える好調ぶりであったこともあり、まだ雑誌体裁として『映画秘宝』を出版することが可能ではないかと考えました。いくつかの版元と交渉しましたが、厳しい出版事情において企画は成立しませんでした。

 しかし、そこで『映画秘宝』にまだポテンシャルがあると考える映像業界、映画業界に携わる関係者たちにより、合同会社秘宝新社が創立されました。こうして『映画秘宝』再度の復刊に向けての活動が始まりました。私も以前から『映画秘宝』を支えてくれた執筆陣や関係者による新しい場を作りたいと考えていたので参加しました。

 また再度の休刊時期に、自費出版で映画の同人誌を出したり、Webで活発的に行動している20代から30代の若い映画ファンと知り合い、話をする中で、それまで固定観念化していた「映画秘宝系」を一度壊し、新しい形の雑誌を作ることができると確信しました。私は体調はすぐれませんが、映画に対する問題意識を同じくする編集者の知遇を得て、彼に編集長をお願いし、新しい『映画秘宝』を作ることになりました。

 まずは紙の形で雑誌を出します。Webの情報のみでなくお手元に残しておきたくなる記録の詰まった読み物=雑誌にすることを選びました。デザインも変更し、今までやってきた映画紹介から新たな内容を盛り込んだ雑誌を作っています。

 新しい『映画秘宝』は2024年1月19日に発売されます。皆様の予想を良い形で裏切る雑誌です。改めて新しい『映画秘宝』をよろしくお願いいたします。